カテゴリ
以前の記事
2014年 12月 2014年 10月 2014年 07月 2014年 05月 2014年 03月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 07月 2013年 05月 2013年 02月 2012年 05月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 10月 2010年 07月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 10月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 お気に入りブログ
リンク
最新のトラックバック
ライフログ
rock music
JAZZ
book
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
私との二人展における岩合泰治の作品について私の私観を書き留めておきたい。 岩合泰治は83歳という年齢にもかかわらず彼の作品からとても新鮮で瑞々しさを感じる。新鮮というのはこれから訪れる時間、まだ見ぬ風景といった未来の時間軸に対する希望というものを包括しているかもしれない。彼の作品と対面すると何とも言えない透明感を感じ、ずっと先にまだ見えない時間の流れとか、まだ見ぬ空気を一瞬味わったような思いにさせられる。そしてその感覚が何ともいえない心地良さがあり、非常に不思議な感覚に包み込まれるのだ。 岩合泰治は今の高知で最も尊敬できる、そして最もすばらしい画家であろう。絵画の制作は、というより美術制作は知的肉体労働から生まれるものである。汗を流さない(物理的な意味ではなく)作品には感動がない。頭脳の試行錯誤のない作品にも感動がない。これは人間として生き、創造に関わる上で欠くことのできない要素だと思う。岩合泰治はまさに知的肉体労働を繰り返し行った結果として今の作品が生まれたと言っても過言ではないだろう。 さて岩合泰治の作品だが、抽象と具象の要素がうまく絡み合っている。抽象を少しずつ単純化する、具象を少しずつ単純化すると、あるところで接点が生まれ、統一化されるといった感覚だろう。その基本となるのが岩合自身が幼少時に感じ取った原風景かもしれない。岩合泰治の制作は行ったり来たりを繰り返す終わりの見えない作業であるはずだ。その中で岩合自身は色のハーモニー、形のリズムといった、もしかすると音楽を作っていくような過程を踏んでいるかもしれない。色は音を醸し出し、形はリズムを醸しだす。そして1枚の作品から壮大なシンフォニーとなって私たちの前に姿を現す。岩合泰治はそのシンフォニーを作り出す指揮者もしくは作曲家と言えるのかもしれない。 アメリカの画家、リチャード・ディーベンコンのオーシャンシリーズというものがあるが、共通の要素を多分に含んでいる。また制作過程ではジャコメッティ、ルオーのようなひたむきに見つめ、追求する姿勢は非常に共通しているだろう。そういった共通項を土台にして、岩合泰治の誰にも真似のできない岩合泰治絵画ワールドがしっかりと確立していると思う。 この文を書いていて私は何にもない真っ白い部屋に岩合泰治の作品を1点のみ壁に掛け、1日ずっと見ていたいという欲求にふと駆られた。
by satoru_nishi
| 2013-11-21 22:57
| アート
|
ファン申請 |
||