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アーティストインレジデンスプログラムを組み込んだ地方からの発信という展覧会である。高知在住の作家と都市圏で活動、活躍している作家と触れ合える場所と機会を設ける意味合いも含ませた展覧会のように思われた。レジデンスは2週間だったということだが、制作期間を考えると少々短いかもしれない。せめて1ヶ月というスパンで制作活動できればもっと違った表現が可能ではなかったかと思わされた。高知在住作家はレジデンスではなく、彼らのアトリエで制作した作品を須崎市街地(地方の小都市にみられる過疎化が進んでいる)にある商店などの空きスペースを利用して展示していた。高知では数年前からいの町で開催されている「イノビオーダー」が同様の市街地にある空きスペースでの展示が既に行われており、過疎化が進む市街地の活性化をアートの力でという趣向なのかなというふうに感じられた。レジデンスで制作された作品は須崎マチカドギャラリーという旧商家をギャラリースペースにしたところでの展示となっていた。 マチカドギャラリースペースだが、まだ改装中なのかもしれないが、昔からの日本家屋の趣を保ちながらギャラリーという展示スペースに融合させようとしてるのか、それとも展示ということをメインに考えて改装して使用しようとしているのか、少々曖昧さが残る感じ。当然そういうスペースでの展示はかなり難しく、作家たちが制限ある制作時間と共にスペースをどのように理解しようとしたのか苦労して展示していたのが感じられた。そいう意味では各作家共々、完全に満足いく展示ではなかったのではと感じられた今回の展示風景である。高知在住の作家たちも然りである。市街地の使われなくなった空きスペースをどうやって作家の世界に昇華させることができるのか、ただその空間を使えばいいというだけのことではないはずである。足を運び、その空間を見たいということは作品が今まであった通常の空間が全く違った異空間として感じたいということではないだろうか。そういう意味から言うと作家たちの相当な覚悟も必要になってくる。今回の現代地方譚2はその覚悟という意味でまだまだ足りないところがあるような気がする。 しかし、ここで大事なことは、地方からの発信ということだろう。アートの世界は経済と深く繋がっていく。お金が集まるところに新しいアートも集まってくるのは世の常である。そういう意味では日本の場合、東京という経済の中心にアートも集まってしまうのである。しかし経済の循環から取り残されていく地方、さらには過疎化、高齢化という条件の中で、アートの存在意義とは?またそういった中でのアートの方向性とは?を考える時、まずレジデンスという意味はかなり大きいと思う。欧米ではアーティストコロニーとして芸術家滞在型のレジデンスがいたるところにある。多くは財団がバックアップしてコロニーを運営したり、村営であったり、またヨーロッパでは国が運営するところもある。しかしほとんど全てがその地域と交流することが最低条件の滞在なのである。地域住民に作品解説したり、地域の子供達に創作教室、あるいは講演する。こういった交流がその小さ共同体に大きなエネルギーをもたらすようである。日本にはまだそのようなコロニーが見当たらない。若しかしてこの須崎がコロニーを生み出すような可能性を秘めているのではと感じさせてくれた。まだまだ発展途上であるが、この企画をした面々は大きな熱意と情熱を抱いているに違いない。それを感じさせる現代地方譚2であった。展覧会自体はまだまだこれからである。作家たちも相当の覚悟を持ってこの企画に臨んんで欲しい。高知の田舎のそれも過疎化の進んだほとんど目に止まらない展覧会と思わないで欲しい。ここから大きな岩を動かすんだという気概を持って創作して欲しい。
by satoru_nishi
| 2014-10-27 21:46
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